[RENÉ LACOSTE]
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90年前のあの夏に生まれた一着は90年後の今も夏トップスの最高傑作なのだ |
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同社の創業者であるルネ・ラコステ氏は、14歳からテニスを始め、わずか4年後にフランス選手権大会で優勝。引退までに4大大会を計7度も制した稀代の名選手として知られていますが、実は現代では当たり前となっているテニスボールマシンをはじめ、数々の革命的ツールを開発した発明家としても著名でした。
33年の創業時から展開されるポロシャツも、今でこそ夏トップスの最定番として世界中の服好きから愛されていますが、もともとはそんな同氏がテニスウェアとして開発したもの。以下ではその誕生背景に迫ります。 |
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[HISTORY] |
原点であり完成形だった“ポロシャツの起源” |
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① |
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テニスに求められる品に応える美しい衿 |
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育つのに5年かかる高品質な蝶々貝ボタン |
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スポーツ由来のリブ編みの袖先もアイコン |
④ |
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愛らしさと運動性を両得するスリット |
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ポロシャツが誕生したのは1927年頃。なんと今から100年近くも前のことです。生みの親はご存知、ルネ・ラコステ氏。同氏がまだ現役のテニスプレーヤーだった20年代当時、選手たちはまだ布帛生地で作られた、ダボダボのワイシャツを着てプレーするのが一般的だったそうな。
動きにくいし汗も吸いにくいこのシャツに常々不満をもち、なにかと風邪をひきがちだったという同氏は、ある時ロンドンへ旅行に行った際、現地のシャツメーカーで、とあるニット生地と運命的な出会いを果たします。
それこそが汗をよく吸う快適な“鹿の子”生地。同氏は英国のポロ選手たちが、これとよく似た柔らかい生地のシャツを着てプレーしていることに着想を得て、すぐさまこの鹿の子生地を用い、テニスにも使える半袖の衿付きシャツを仕立ててもらうよう打診。これこそまさにポロシャツ誕生の瞬間だったんです。
伸縮性にも通気性にも優れるこの鹿の子ポロシャツは、選手の間でたちまちブレイク。これはいける!と確信した同氏は、1933年にフランスのトロワに巨大なニット生地製造工場を持っていたアンドレ・ジリエ氏と共同出資して、「シュミーズ・ラコステ社」を設立することになりました。
驚きなのはこの鹿の子ポロは、現在まで基本仕様を変えていない=誕生した瞬間からすでに完成されていたということ。 ①品格が要求されるテニスウェアとしての素養を満たす美しい衿。 ②気品をさり気に主張する貝ボタン。 ③フィット感に富むリブ編みの袖先。 ④運動性と愛らしさを両立させる通称・バタフライスリット。 これらの代表的な意匠は誕生時から不変。
ポロシャツの原点であるということだけでなく、すこぶる完成度が高かったからこそ、いつしかスポーツウェアの枠を飛び越え、ファッションの定番としても浸透していったんです。
まだ暑さが残るこの時季、ムレやベタつきとは無縁の鹿の子ポロは、オンでもオフでも最強の相棒。その原点にして頂点、頼らない手はありませんよ。 |
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L.12.12 |
1933年の創業時から展開されるキング・オブ・ポロ。「L」はラコステ、最初の「1」は鹿の子素材、お次の「2」は半袖、最後の「12」はルネ氏が最終的に選んだサンプル番号を意味する。ちなみに正式な呼び名は“エル・トゥエルブ・トゥエルブ”。1万6500円。 |
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