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答えのない倫理的な問題 [トピックス]

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トロッコ問題とは

功利主義と義務論の対立を扱った倫理学上の問題

トロッコ問題とは行為などから発生する結果を尊重する利己主義と、行為から発生する結果よりも行為をするときの意志や判断から善悪を計る義務論のどちらを選ぶかと言う倫理学上の問題提起です。

相対する2つの考え方を、人の命の重さを例にとり、多数の人間の命が危険に迫っているとき一人の命を犠牲にすることは正しいことかと問うものです。

トロッコ問題は、状況の変化によっても答えが分かれるものでもあり、善悪の尺度が何から影響を受けるのかも知ることができます。

「トロッコ問題」をギャルが解決』の前に、本来の「トロッコ問題」についてちょっと学習。


【記事詳細】

1. 基本のストーリー
制御が効かないトロッコ。進む先には、5人の作業員がいます。進行方向を変えるレバーの前に立つあなた。レバーを引けば線路が切り替わり5人を救えますが、今度は切り替えた先にいる1人の作業員が犠牲になってしまいます。

あなたは、1人と5人、どちらの命を選びますか?
 
2. 5人を助けるために1人を犠牲にするかどうか
トロッコ問題は、緊急事態を知らせ作業員を避難させる等、レバーの操作以外は出来ない設定です。また、レバーを引いたことによる責任も問われません。1人の命に目をつむり5人を助けることの是非を問います。

命の数だけを見れば、当然5人を助けることを選びます。しかし、5人の命を守ることは、レバーを引くという自らの行動で人の命を奪うことでもあるのです。5人を助けるためとはいえ、自分の行動で他人の命を奪うことに耐えられないなら、何もしないという選択もあります。

しかし、この選択は、5人の命を奪うことになります。
 
3. 答えとして2つの選択肢が与えられている
トロッコ問題が問いかけているのは、5人を助けるために1人を犠牲にするかどうかです。

自分が行動することで1人を犠牲にするor何もせず5人がそのまま犠牲になる、この2つの選択肢が与えられます。ここには、救う人数の選択と、自ら行動するかどうかの選択も含まれます。
 
【選択肢A】自分が行動を起こして1人を犠牲にする
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 A.自分が行動を起こして1人を犠牲にする選択

自らレバーを引くことで、5人の命と引き換えに1人の作業員の命を奪うことになります。奪われる命の数を重視すれば、5人の命を優先させることになりますが、奪われる1つの命は、あなたがレバーを引かなければ、なくならなかった命です。本来助かるはずの命を自らの行動で奪ったという重い事実が残ります。

5人の命を優先し、自発的な行動で1人の命を奪うことは果たして許されるのでしょうか?
 
【選択肢B】自分は行動せず5人はそのまま犠牲になる
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B.自分は行動せず5人をそのまま犠牲にする選択

トロッコの進行方向を変えなければ、トロッコはそのまま5人の作業員に衝突し、別の線路にいた作業員は無事です。たとえ5人の命を救うためでも他人の命を奪うことを良しとせず、レバーを引かない選択をする人もいれば、自分は事故とは無関係でいたいとあえて関わらない人もいるかもしれません。

ですが、どちらの場合も5人の命を救わなかったという重い事実が残ります。
 
4. トロッコ問題とは何を問題にしているのか?
トロッコ問題に登場するのは、線路で作業する5人と1人、そして進行方向を変えるレバーの前のあなた。1人の命を犠牲にして5人の命を救うことは正しいのか、ジレンマを抱えつつ思考を巡らせることで、命に対する自分の価値観に気づきます。

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